ショーペンハウアー①【哲学者】
孟二加です。哲学院生です。
今回は自身の専門である、
(1788.2.22〜1860.9.21)
について、ネチネチと語って行こうかと思います。
(出典:いらすとや)
この面白い頭のおっちゃんがけっこう好きなもので、
こんなに長々書くことは、おそらく今後ないと思います…
しかし専門的な内容は最小限に留めて、楽しいところだけ書いていこうと思います。
(ですから専門家の先生怒らないで)
普通は概要とか、彼の生涯から行くんでしょうけど、
興味ない人にとっては退屈なだけですからそれは後に回しましょう。
今回は筆者の考えるショーペンハウアー哲学の魅力から、惜しみなくお伝えしたいと思います。
〈魅力〉
①文章が平易で明瞭
そりゃあ、内容は一筋縄では行きませんが。
原文も正確な文法で書かれているようです。
(ドイツ語初学者の私が読めるくらいには)
②皮肉や悪口が小気味良い
彼は真剣に哲学してる中に急に毒吐いたりするんです。
けっこう本気っぽいところが面白い。
それがスコーーーンと気持ちよく決まるもんで、私なんかは本読みながら吹き出すこともあります。
これはもちろん笑いの好みに左右されると思いますし、ショーペンハウアーのここを嫌う人もいますが、私は好きなところです。
極端に言うとなんJ見てるみたい。
全然わからんけどたぶん紙の上でだけ饒舌なタイプ。
ツイッターやったらショーペンハウアーはツイ廃になると思います。
③色彩豊かな感じがする
「世界は私の表象である」
主著の第一文なんですけど、この一言からしてなんていうか、鮮やかですよね。
(まぁ主著を読み進めて行くと、この一言は全然正確じゃないことがわかるんですが…)
我々の見てる世界って全然無機質じゃないのに、論理で語った途端、なんか無機質になるじゃないですか。
それって言い表せてないなって。
かといって文学だと本当か嘘かわかんないとこあるし。(フィクションが人気だし。)
ショーペンハウアーなら良いとこ取りです。
(私としては)
また、ゲーテに言われて色彩論書いたり、主著で美学書いたりもしてます。
その敏感さも持っているということ。
あとこれは本当に根拠とかなくて"なんとなく"ですし、偏見ですが、
カントはバッハっぽい。
四者共好きなんですけどね。
④哲学が意外と優しい
これは、「嘘だろ」と思われがちなところかもしれません。
でも私は優しさがある哲学だと思いますし、これが私の考えるショーペンハウアー哲学の一番の魅力です。
(哲学の奴隷としては優しさと魅力の定義をするべきなんでしょうが、当然省略)
「世界感は暗いし、禁欲的だし、どこが?」
ってこんなイメージだと思うんですけどね。
「世界観は暗いし」
→これはなんというか、彼にとっては見たままを語っただけなので、
むしろ世界や人間の暗くて残酷な側面をきちんと受け止めた点で、すっごい優しいと思うんですよ。
「禁欲的だし」
→これは単に誤解だと考えます。
彼は確かに意志の否定を説きますが、
「禁じる」というほど強い執念で以って欲を制限しては、結局それは意志が強いんですよね。
彼は、「緩やかな餓死」とやらを意志の否定の最高だと言います。
欲望が自然と消えて、植物が枯れるように死んでいく様です。
そんなことあり得るんかと突っ込みたくなりますが、
禁欲と同一視はできないことがここからわかります。
要は、めっちゃ暴力的にまとめると、
「必要以上に頑張らなくて良いよ」感が、そこはかとなくある。
(専門家に怒られそう)
例えば私は、にわかなりにカントやニーチェも好きなんですけど、
彼らは比較的「厳しいな」と思うんです。
カントは、人間の前提をけっこう良いものだと捉えていると思います。
でもそれって、良くないときは人間じゃないみたいな厳しさに転じやすい。
それで言うと、ニーチェは正反対。
どんなに醜くても汚くても自分と人生から目を背けてはいけない感じ。
だって永劫回帰ですからね…逃げ癖のある私としては究極に厳しい…
まとめると、
まっすぐな悪口と切れ味の良い皮肉
結局優しい
うーん。
有吉さんや東野さん(東野幸治)好きな人にならわかってもらえそう。
(ちなみに大好き)
とりあえず以上。
次回は思想の特徴や概要等。
また。