哲学史やってく3-古代1
孟二加です。哲学院生です。
「哲学史やってく」では、その名の通り哲学史の自主学習をやっていきます。
今回は古代、教科書で言うと一番最初のところを取り上げて、
自主学習したものをまとめていきたいと思います。
<哲学以前>
世界の全体を哲学的に問うという態度は
ヘシオドス(前700年頃)
で既にあった。
著作は『神統記』。
ホメロスとの差異として、
神話の表象を通した理性的洞察の試みの萌芽が見られる。
<哲学的思惟の目覚め>
先行文明と接点を持っていた小アジア西海岸のイオニア地方、商業都市ミレトスで
が起こる。
彼らは神話の克服を目指した。
現象を「神々の気まぐれ」とせず、普遍的な原理で説明しようとした。
自らの研究を自然への問いと自覚していた。
倫理や社会は考察の対象ではなかったため、自然哲学と呼ばれる。
しばしばヨーロッパ科学の始祖として考えられるが、
注意すべきは彼らが手法に実験を用いなかったことである。
これは近代的な意味での科学と意味が異なる。
イオニア学派の創設者と考えられている
タレス(前624年頃〜前546年頃)
は、七賢人にも数えられる。
日食を予告し、ピラミッドの測量を行ったことから、
バビロニアの天文学とエジプトの幾何学に通じていたことがわかる。
これらをギリシアの科学に導入し、
科学を実用的技術から純粋科学(理論科学?)へと高めた。
万物の原理を「水」であると言ったことでよく知られているが、
これの意義は
「彼が初めて自然全体の多様性の中に統一性を求め、かくして存在するものの全体を主題化し、それを一つの原理から把握しようとしたというところ(リーゼンフーバーp22)」
にあるのだ。
始源(アルケー)を初めて唱えた
アナクシマンドロス(前610年頃〜前545年頃)
は、アルケーを「無限定(アペイロン)」だとした。
火、土、水、風は対立しあうものであるから、
タレスの言う水が一つですべての原理であることはあり得ない
と考えたからである。
「無限定」は、すべての生成の消滅に対して先立っている。
ゆえにそれ自体として時間の制約も受けず、不滅で神的なものである。
また、彼は天動説の源流とされる。
シンプリキオスという人物によって哲学著作を記した最初の人物としても伝えられている。
ここまで。
[参考・引用]
・ミネルヴァ書房『よくわかる哲学・思想』
クラウス・リーゼンフーバー
最近の研究では、観測可能宇宙が無限に広がり続けているらしいですね。
それを受けたらアナクシマンドロスの天動説は一周回って真実に近い気がしてきます。
正直言ってしまうと全然興味なかったんですけどね、
めっちゃ面白い。
ソクラテス以前の哲学者たちは逸話集みたいなものにまとめられているので、
そういう書籍を手に入れたら再度追記していこうと思います。
次回はこの続きか、哲学史を離れて別のことしようと思います。
意外とこの作業大変で…
投稿ペース落ちるかもしれませんが、よろしくお願いします。
また。